病気にならない「予防栄養学」講座

第17回 肌荒れ改善のための栄養学

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POINT1 お肌と紫外線の関係

POINT2 紫外線対策の栄養って?

POINT3 肌トラブルを解消の美肌レシピ

 

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肌のトラブルといえば、ニキビや吹き出物、シミやソバカス、シワやたるみなどですが、その原因の一つは紫外線。日差しの強い夏は、汗をかき、皮脂の分泌も盛んで、紫外線は冬場に比べると7・8月は2~3倍、曇りの日でも降り注いでいますから油断は禁物。傘や帽子、衣服でしっかりガードして日焼け止め対策をしましょう。日焼け止めクリームなど外からのケアと同時に、肌によい栄養成分を摂ることが大切です。

 

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皮膚は表皮、真皮、皮下組織の3つの層によって構成されていて、おもに身体の水分を保持する役割を担っています。肌の表面を覆っている角質層は皮脂や汗の分泌により水分が保たれていて、肌にうるおいを与えています。また、皮膚の細胞は4~6週間で新しい細胞へ入れ替わる新陳代謝(ターンオーバー)が行われています。この表皮の下には真皮があり、その70~80%はコラーゲンで構成されていて、肌のハリや弾力を保っているのです。

コラーゲンは、たんぱく質からできており(→予防栄養学講座第2回たんぱく質とアミノ酸参照)、身体のたんぱく質の約30%を占めています。髪の毛や骨、内臓などあらゆるところに存在するコラーゲンですが、代謝は部位により6ケ月から数年をかけて新しく生まれかわります。中でも40%と一番多く存在する皮膚のコラーゲンは、ターンオーバーにも時間がかかり、その半分が生まれかわるのに15年以上がかかるともいわれています。

口から摂ったコラーゲンは、アミノ酸にまで分解され、その後必要に応じて体たんぱく質として再合成されます(→第2回「たんぱく質とアミノ酸」参照)。ですから、コラーゲンを多く含む食品を大量に摂ったからといって、すぐに肌がぷるぷるになるわけではないのですが、肉、魚、豆類などアミノ酸バランスのよい良質たんぱく質を摂り、コラーゲンが生成されやすい状態に保つことが大切です。また、ビタミンCは、コラーゲンの吸収を高め、生成を促進しますので、一緒に摂りましょう。

 

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地球に達する太陽光線には、すべて波長の光線が含まれていて、波長の長い順に

(1)  赤外線(近赤外線、遠赤外線)
(2)  可視光線(プリズムを通してみられる赤~紫の七色)
(3)  紫外線

に分かれています(それより短いものはエックス線、ガンマー線など)。 紫外線はさらに波長の長い順にUV-A、UV-B、UV-C(オゾン層に吸収され地球に届かない)があります。 紫外線は地上の物質に当たると、強力な活性酸素を発生させます。

コラーゲンはアミノ酸の長い鎖3本がらせん状に絡まった束(線維)として皮膚の真皮に存在しますが、紫外線UV-A(真皮まで届く)を浴びると活性酸素が束を切断したり詰まらせたりなどして、破壊し変性させます。その結果、保水性が失われ弾力がなくなり、皮膚を支える真皮が委縮してシワができるのです。 また、紫外線UV-Bが当たると活性酸素が発生し、表皮の基底層にあるメラノサイトを刺激して、メラニン色素を過剰に作らせ、シミ、ソバカスとして残ってしまいます。 紫外線により表皮細胞の遺伝子が傷つけられると、ある程度は修復されますが、何度も繰り返していると、細胞再生が正常に行われず、ターンオーバーの乱れ、乾燥、小じわのほか、皮膚がんを招く原因にもなります。

こうして見ていくと、肌のためにはできるだけ紫外線を遮断して活性酸素を発生させないよう注意すると同時に、活性酸素を取り除く抗酸化作用のある食べ物を摂り、少しでも肌を守ることが大切です。

 

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種類 効果 多く含む食材
β-カロテン 体内に入ると必要な分だけビタミンAにかわります。ビタミンAは皮脂腺や汗腺の働きを高め、肌を丈夫にして潤いを保ちます。 ・(β-カロテン)ほうれんそう、ピーマン、にんじん、カボチャなど緑黄色野菜
・(ビタミンA)ウナギ、レバーなど
ビタミンC コラーゲンの生成を助け、ハリを持たせると同時にメラニン色素抑制効果や美白効果もあります。 赤ピーマン、菜の花、ブロッコリー、カキ、キゥイ、いちごなど
ビタミンB2 細胞の新陳代謝を助け、皮膚の健康を保ちます。また、過酸化脂質を分解する働きがあります。 レバー、魚介類、牛乳・乳製品、卵、納豆、
ビタミンB6 分解されたアミノ酸が人のたんぱく質に再合成するのを助け、皮膚の健康維持に役立ちます。 牛レバー、鶏ささみ、カツオ、マグロ、サケ、バナナ、野菜、大豆
ビタミンE 血行をよくして新陳代謝を高め、血色の良い肌にし、肌のすみずみに栄養分を行きわたらせ、潤いをもたらします。また、紫外線に対する抵抗力を上げてくれるので、シミやソバカスにも効果的(老廃物の排泄を高め、過酸化脂質を作らせないようにします)。 カボチャ、赤ピーマン、アーモンド、ウナギの蒲焼、毛ガニ、キングサーモン、植物油
亜鉛 皮膚の抵抗力に関わる働きをします。 カキ、タラバガニ、ウナギの蒲焼、牛肉、大豆、茹で筍、海藻
その他の天然色素 アスタキサンチン、果物、海藻類などに含まれる天然色素にも抗酸化作用を持つものがあります。 アスタキサンチン(紅サケ、イクラ、エビなど)

※ビタミンB群(上記のほか葉酸、ナイアシンなども)・・・肌の炎症を防いで、肌を正常に保ち、細胞の再生を促します。

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■しっかり栄養を摂って紫外線対策を

☆近年光による老化(紫外線)を抑制する働きがあると注目されているのが、リンゴの皮に多く含まれる「リンゴポリフェノール」です。

リンゴは意外にもビタミンCは少ないのですが、体内のビタミンCを増やす働きがあり、コラーゲンの生成にも役立ち、美白効果も期待できます。

 

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ビタミンB2が不足しないよう注意し、食物繊維を多く摂りいつも腸をきれいにな状態にしておきます。また、腸内環境を整えるためにヨーグルトなどを摂ることも大切です。

チョコレートや脂肪の多い菓子を食べ過ぎると、皮脂の分泌が盛んになり毛穴が詰まりにきび菌が繁殖しやすくなるので、控えましょう。

 

 

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抗酸化成分を組み合わせたメニューで、活性酸素からお肌を守りましょう!
(アスタキサンチン、β-カロテン、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE)

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天然に存在する色素成分カロテノイドの一種で、赤い色素成分です。サケ類に多く含まれていて、エビや毛ガニなどは殻に含まれていて、茹でると赤く変色します。サケは成長過程で、プランクトンや小型魚介類や藻などを餌にしていて、体内に蓄積されたアスタキサンチンにより赤い色を呈しているともいわれています。
アスタキサンチンの抗酸化作用はビタミンEの約500~1000倍、β-カロテンは野菜の約40倍という報告もあり、肌の老化を防ぐだけでなく、血管を柔軟に保ち動脈硬化予防などでも期待されています。

 

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・材料(2人分)
甘塩紅サケ2切れ、酒・こしょう適宜、ニンニク1かけ、スライスアーモンド大さじ1、小麦粉適宜、バター・油各大さじ1、レモン・キゥイ各1個パセリ適量、ミニトマト4個
絹ごし豆腐大さじ4、たまねぎ10g、オリーブ油大さじ1、酢小さじ1、塩少々、カラーピーマン(赤、橙、黄、緑)1/2個分

・作り方

(1)サケに酒・こしょうをして暫く置いて、水気を軽く拭いてから小麦粉をまぶし、アーモンドを両面につけます。

(2)フライパンに油とニンニクを入れて火にかけ、次にバターと(1)を入れて焦がさないようフライパンを動かしながら両面をきつね色に焼きます。

(3)玉ねぎ、ピーマンはみじん切りにして、ピーマンはさっと湯の中を通します。

(4)豆腐は布巾に包んで水気を取ってボールに入れ、泡立て器で潰し、油、酢、塩を加えてよく混ぜ合わせ、(3)の野菜を加えてソースを仕上げる。

(5)(1)のサケを皿に盛り、(4)のソースをかけて、櫛形に切ったレモン、パセリ、キゥイ、トマトを添えてすすめます。

 

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・材料(2人分)
甘塩紅サケ150g、すし飯300g、酢・三杯酢適宜、甘酢生姜20g、青シソ10枚
赤・黄パプリカ各1/2個、トマト1個、たまねぎ1/4個、ナス1個、カボチャ60g、白ワイン大さじ2、バジルソース大さじ2、塩・こしょう少々、パセリ(みじん切り)適宜、別に揚げオリーブ油適量

・作り方

<サケ寿司>

(1)サケは30分ほど酢に浸けて、骨を取り除いて5mmぐらいの削ぎ切りにして、
三杯酢をくぐらせます。

(2)甘酢生姜は粗みじんに切り、すし飯に混ぜ合わせ、一口大に握り、(1)のサケをのせ、
青シソで包みます(炒りごまを加えても美味)。

<ラタトゥイユ>

(3)パプリカはヘタと種を除き幅5mmに切り、トマト、たまねぎは櫛形に切ります。

(4)ナスは1mmの輪切り、カボチャは厚さ5mmの櫛形に切り、オリーブ油で素揚げします。

(5)耐熱容器に(3)(4)を入れ、オリーブ油、白ワイン、市販バジルソース、塩、こしょうを加えて、600Wの電子レンジで8分加熱してそのまま冷まし、パセリのみじん切りをふります。
☆バジルソースは、バジルの葉+オリーブ油+ニンニク+松の実+粉チーズを合わせてミキサー(フードプロセッサー)でペースト状にすれば簡単に手作りできます。

 

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nutrituion.ueda.image 京都生まれ、京都育ち。
病院・保健所・役所などに勤務後、雑誌の企画・編集・執筆に携わる。やがて、伝統ある町の魅力を全国に伝えるかたわら、食の専門家としても活動を開始。料理本の企画・執筆、栄養指導を経て、やがて京都のおばんざい教室『よろしゅうおあがり』を立ち上げる。こうした経験をいかし、現在も医療の現場や企業での栄養管理・指導にまで活躍の場を広げ、今もさまざまな料理レシピを生みだし続けている。

 

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