食事の謎を解き明かす栄養トリビア

「酒は百薬の長」?それとも「万病のもと」?お酒を楽しく飲むために意識しておきたいこと。

「酒は百薬の長」という言葉をご存知ですか?

これは「適量に飲むお酒は、どんな良薬にも勝る」という意味をもつ言葉です。

 

タバコが「百害あって一利なし」と言われるのに対し、お酒は「百薬の長」と言われるのはなぜでしょうか?

酒は百薬の長

12月になると、クリスマスやお正月など、大きなイベントが目白押しです。今年は新型コロナウイルスの影響で宴会は少なそうですが、年末年始はお酒を飲む機会も増えてくることでしょう。

 

そこで今回は、お酒を飲むことでどのような変化が体に起こるのか、またお酒の適量とはどの程度なのか、など、お酒を楽しく健康に飲むポイントをお伝えしていきます。

 

「酒は百薬の長」と言われる由来はいつ?どこから?

「酒は百薬の長」…この言葉は、古い中国の史書「漢書」に由来しているそうです。王莽(おうもう)という武将が言った言葉で、お酒をたたえて言ったものと解釈されています。

 

日本でも、吉田兼好の随筆「徒然草」に、漢書の言葉を受けて以下の言葉が記されているそうです。

「百薬の長とはいへど、よろづの病は酒よりこそ起これ」

漢書の「酒は百薬の長」に対して、徒然草は「されど万病のもと」という言葉が続きます。

 

これは、「適量に飲むお酒は、どんな良薬にも勝るけれど、飲み過ぎると万病のもとになる」という意味になります。

 

昔から、お酒は人の食文化を豊かにしてきた反面、飲み過ぎることで健康を害することもあったということが伺えます。

 

百薬の長、万病のもと

お酒を飲むと、心も体も緊張が和らいでリラックス出来ると感じたり、お酒を飲むことで1日の疲れやストレスを発散することもあります。

 

お酒は適量を楽しむ程度であれば、気分が盛り上がり会話も弾み、人間関係を円滑にするなど、コミュニケーションツールになります。

適度なアルコールは血管を拡張させるので血の巡りが良くなり、また利尿作用のおかげで体にたまった老廃物を排出でき、疲労回復にも効果があるといわれています。

 

しかし、お酒を飲み過ぎると、記憶力や判断力が低下したり、記憶が途切れ途切れで自分の行動を覚えていないなど、取り返しのつかない失敗や事故を起こすリスクが高まります。

飲み過ぎた翌朝は二日酔いで頭痛や吐き気、疲労感などに悩まされて、ひどいときには1日を台無しにしてしまうこともあります。

 

それだけでなく、度を越した長期にわたる大量の飲酒は、脂肪肝や肝硬変などの肝臓障害、糖尿病や脂質異常症、高血圧などの生活習慣病の他、さまざまな病気の原因にもなってしまうのです。

 

お酒の適量ってどれくらい?

楽しい宴会で悪酔をしたり、二日酔いにならないためにはまず自分のアルコール摂取量の適量を知ることが大切です。
 

個人差はありますが、厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイトe-ヘルスネット 飲酒のガイドラインによると、「通常のアルコール代謝能を有する日本人においては、節度ある適度な飲酒として、1日平均純アルコールで20g程度である。」と表記しています。摂取量の適量と言われるアルコール20gは以下の量です。

 

ビール・・・中瓶1本

ワイン・・・グラス2杯

日本酒・・・1合

焼酎・・・ぐい呑2杯

ウイスキー・・・ダブル1杯

 

お酒の適量は個々人で大きく差があるので、こちらを目安に自分の適量を見極めましょう。

また、そのときの体調にも大きく左右されますから、飲む前の自分の体調も把握し、自分のペースでゆっくりとお酒を楽しむことが一番です。

 

ストレスを感じている時こそ、お酒は一人で飲むより仲間と会話を楽しみながら飲む方が心も解放されてストレスも発散できますが、仲間と飲んでいると飲酒のペースが仲間につられて早くなることも多いですから、気をつけましょう。

 

また寝酒をすると寝付きやすいという人は多いかもしれませが、夜中に目が覚めたり、早朝に目が覚めてしまったりと睡眠の質を下げることがあります。

寝酒の習慣は飲酒量が増えていく危険性があるので、毎日の寝酒はおすすめしません。

 

二日酔い防止に効果的な食品は

宴会でつい調子に乗って飲みすぎ、翌日二日酔いになった経験が皆さま一度はあるかもしれませんね。

 

二日酔いにならないためには、まず空腹時のアルコールは避けましょう。

胃や腸に食べ物が入っていない空腹状態の時にお酒を飲むと、他に摂取すべき栄養がないためアルコールを一気に吸収して酔いが回りやすくなってしまいます。

適度な食事をすることで、二日酔いを避けることも可能です。

 

そこで、二日酔い防止に効果的な食べ物をご紹介します。

お酒と一緒に摂取することで、二日酔い防止になります。

 

 

<二日酔い防止に効果的な食品>

 

・たんぱく質を多く含む食品

肉類・乳製品・魚介類・卵・豆類・大豆製品

・ビタミン類を多く含む食品

ビタミンA:レバー・うなぎ・ほうれん草

ビタミンB1:豚肉・玄米・胚芽米・大豆・ごま

ビタミンB12:牡蠣・レバー・卵

ビタミンC:ブロッコリー・レモン・キウイ

 

<脂質に注目! >

脂質は、胃の中でほとんど消化・吸収されず、その次の十二指腸ではじめて消化され始めるという特性があります。

つまり脂質の吸収には長い時間が必要となるので、胃でのアルコール吸収を防ぎ、さらに腸での吸収速度を穏やかにする効果があると言われているのです。

 

油でギラギラした肉料理よりは、魚のカルパッチョ(オリーブオイル)、ポテトサラダ(マヨネーズ)など、油を使った前菜向けの料理がおすすめです。

 

<クエン酸で肝臓の働きを活発に!>

梅干しに多く含まれているクエン酸は、肝臓の働きを活発にする作用があります。

焼酎の中に梅干しを入れて飲むのもおすすめです。

 

<飲酒前に飲むといいと言われるウコンの効果は?>

二日酔い防止に効くと言われているウコン(ターメリック)は、飲酒前に摂取することで体への負担を軽減することができると言われています。

ウコンに含まれるクルクミンという成分は、胆汁の分泌を促し、アルコールとアセトアルデヒドの分解を早める作用があります。

効果が出るまでに時間がかかるので、飲酒前に摂取するのが効果的です。

 

お酒を飲むときは、和らぎ水を忘れずに!

お酒を飲むときにチェイサーとして飲む水を、「和らぎ水」といいます。

お酒だけを飲み、水を飲まない人も多いですが、水は意識して飲みましょう。

 

アルコール摂取時は、血流が早くなり新陳代謝が活発になります、さらにアルコールの利尿作用により、トイレ行く回数も増えるので、体内は水分不足になっています。

意識的に水を飲むことで体内に入るアルコール濃度が薄まり、トイレにも行くことで、アルコール成分を早く体から排出できますので、二日酔いの防止にも役立ちます。

 

お酒を飲むときはお酒の合間に意識して和らぎ水を飲むようにしましょう。

 

また、寝る前にコップ一杯の水を飲むことも、翌朝の目覚めがよくなるのでおすすめです。

 

お酒と一緒に食べるとよい食品とは

お酒を飲む時には、以下の食品を食べるようにしましょう。

1. 肝臓、胃の粘膜保護に役立つ良質なたんぱく質を摂取する

2. 野菜類でビタミン、ミネラルを補給する

3. 消化の良い食べもの

4. アルコールによる胃への刺激を和らげるためにスープなど汁物を飲む

 

などを意識して、お酒のつまみを選択していきましょう。

 

<おすすめの食べ物>

トマトはアルコールと一緒に摂ると、酔いにくいという傾向があるそうです。

トマトを食べるとアルコールの代謝に関わる酵素が活性化し、アルコールのまわりが緩やかになることで、悪酔い防止につながります。

 

次におすすめは、枝豆です。枝豆は、高タンパクで低脂質であり、ビタミンと食物繊維も多く含まれています。

枝豆に含まれているメチオニンという物質は、アルコールの分解を助け、また脂肪の吸収も抑えてくれます。

冬の季節は、湯豆腐、鍋類などのメニューも増えてきますね。豆腐や野菜の組み合わせは消化も良いのでアルコールのお供に理想的なメニューです。

 

<アルコールを飲むときに意識して摂取したい栄養素>

・タウリン

肝臓機能を助ける栄養素であるタウリンは、肝臓の働きを促す作用があります。

タウリンは、貝類、とくにさざえや牡蠣、ホタテなどに多く含まれています。

宴会の際、新鮮な貝類を提供してくれるようなお店を選ぶのもいいですね。

 

・ビタミンE

コレステロール値を下げ、肝臓の負担を減らすビタミンEは、血行を促進する作用があり抗酸化作用により肝臓を守ってくれます。

ビタミンEは、ごま、アーモンド、オリーブオイル、アボカド、かぼちゃなどに含まれていますが、ナッツ類は脂質も多いので、ダイエットをされている方は摂取量に気をつけましょう。

 

・ビタミンC

ビタミンCもビタミンEと同様、抗酸化作用があり、肝臓を守る栄養素です。

ビタミンCは、レモン、アセロラ、赤ピーマン、黄ピーマン、芽キャベツ、ゆずなどに多く含まれています。

 

このように、飲んでいる最中は良質なタンパク質やビタミンが豊富な野菜類がおすすめです。

それでも、もし二日酔いになってしまったら、「水」をしっかり飲んで、アルコールの分解を促し、さっさと体外に排泄しましょう。

 

楽しく宴会で飲むために…

アルコールを飲む前に注意すること、また飲んでいる最中に一緒に食べると良いものをご紹介してきましたが、これらは決して特別なものではなく、普段食べている身近なものばかりです。

 

これらの食べ物をおつまみに取り入れることで、悪酔いしにくくなります。お酒と楽しく付き合うためにも、このような食材を意識してメニューを考えたり、お店選びをしたり、飲んでいる時に「そろそろお水を飲もう」など、仲間同士で協力し合うことも大切ですね。

 

「酒は飲んでも飲まれるな」という言葉もあるように、楽しく飲んでストレスを発散させたいですね。

 

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健康管理士・調理師・整体師・ダイエットアドバイザー 池上道代さん

みち整体院 院長

健康管理士、調理師、整体師、ダイエットアドバイザーの資格を持ち、
お客様の健康から美容、食育のお悩みに幅広く応える。
また、日本痩身医学協会認定講師、日本フィジカルナテュール整体スクール神戸校校長として、ダイエットアドバイザーの資格取得から育成まで、トータルでサポートしている。

https://qol-up.wixsite.com/website

 

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