食事の謎を解き明かす栄養トリビア

「牛乳を飲んだら子どもの背は伸びる」は本当? カルシウムの効果的な摂取方法を知ろう!

カルシウムが豊富な食べ物と言えば、「牛乳」というイメージを持つ人も少なくありません。

 

育ち盛りのお子さんに「背が伸びるから!」という理由で牛乳を毎日飲ませているという親御さんもいらっしゃるかもしれませんね。

 

「牛乳を飲んだら子どもの背は伸びる」は本当? カルシウムの効果的な摂取の方法を知ろう!

 

今回は、牛乳を毎日飲んだら子どもの背は本当に伸びるのか?また背を伸ばすための効果的な栄養素の摂取方法を見ていきましょう。

 

骨の成長に欠かせないカルシウムを効果的に摂取するには

牛乳に含まれるカルシウムは骨の成長に欠かせない栄養素ではありますが、残念ながらカルシウムだけで背が伸びると言うことはありません。

 

栄養というものは、単体で働くのではなく、様々な栄養素のチームワークが必要です。

 

毎日の食生活で 以下の4つの食品群から最低 2 群以上(出来れば4群)摂る事が、カルシウムたっぷりのバランス栄養食の基本になります。

     

  1. 乳製品 (カルシウム吸収率 50 %)

カルシウムと良質のたんぱく質が豊富で、吸収率が高い事が一番の特徴です。ただ、含まれる脂肪は動物性ですので肥満や高脂血症の人は摂り過ぎに注意しましょう。
 

  1. 小魚、海藻 (カルシウム吸収率 30 %)

乳製品に比べ吸収率は劣りますが、日本では昔から小魚などをよく食べているので馴染みの深い食品です。海藻はカルシウムの吸収を助けるマグネシウムを含みます。
 

  1. 豆、大豆製品 (カルシウム吸収率 18 %)

畑のお肉と言われ、良質の植物性たんぱく質が豊富です。

また、発酵食品の納豆は骨の強化に役立つビタミン K も豊富に含みます。
 

  1. 野菜 (カルシウム吸収率  18 %)

カルシウム吸収率は低く、大量に野菜からとる事は難しいですが、ビタミン D ・ K ・ C が吸収を高める効果があり、他のカルシウムの多い食品と組み合わせ易いのも特徴です。

 

「カルシウム」と「たんぱく質」のコンビが骨を作る基本

カルシウムは骨の“密度”を上げる栄養素なので、骨の成長を促して身長を伸ばすには、たんぱく質と一緒に摂取することが重要になります。

 

言わば、骨の構造は鉄筋コンクリートのようなもの。鉄筋がたんぱく質、コンクリートがカルシウムに当たります。そのため、身長を伸ばすためには、この2つの栄養素を積極的に摂ることが基本となります。

 

ただし、カルシウムは体内に吸収されにくいので、吸収をサポートしてくれるマグネシウムやビタミンD、K、CやB群、亜鉛、鉄など多くの栄養素が必要になります。

 

身長を伸ばしたい!丈夫な骨を作りたい!と思うなら、骨の材料だけでなく、吸収率を高めるための様々な食材を組み合わせて栄養素をバランス良く摂ることが大切です。

 

以下にカルシウムと一緒に摂りたい栄養素をご紹介します。

 

・ビタミンD

骨の健康に役立つ脂溶性ビタミンです。

食品から摂るほかに日光を浴びることで体内合成することもできます。ビタミン D が不足すると、子どもの骨の成長を妨げる要因になると言われています。

 

<ビタミンDを多く含む食品>

鮭、マグロ、サバ、牛レバー、魚類の肝臓、卵黄、きのこ類

 

 

・ビタミンK

骨の強化に役立つ脂溶性ビタミンです。

 

<ビタミンKを多く含む食品>

キャベツ、明日葉、小松菜、春菊、ほうれん草、わかめ、ひじき、納豆、牛レバー、植物油

 

・ビタミンC

たんぱく質、鉄とともに十分とり続けることが丈夫な骨への第一歩です。

 

<ビタミンCを多く含む食品>

パプリカ、ブロッコリー、キウイ、菜の花、イチゴ、ネーブル、レモン、キャベツ、じゃがいも

 

必要なものだけではなく、摂らない方がいいものにも目を向ける

丈夫な骨を作るために必要な栄養素のことをお伝えしましたが、逆に丈夫な骨を作るために、必要ないもの、もしくは摂らない方が良いものを知っておくことも必要です。

 

まず、成長期の子どもの食生活で気をつけたいのが、子どもが大好きなスナック菓子や甘い炭酸飲料、ジャンクフードなどを食べる機会を極力減らす、ということです。

これらの食べ物には、せっかく摂たカルシウムを体外へ排出してしまうリンが多く含まれます。

 

努力して栄養素を整える食事をしていても、それらが無駄になってしまうともったいないですよね。

 

成長期の子どもには、3食の食事と捕食(おやつ)にも気を付けてあげて、「身長を伸ばすためにはバランスの良い食事を基本に、カルシウムやたんぱく質を積極的に摂取する必要がある」ことを、子どもにも理解出来るよう、きちんと話をする機会を持つことが食育のひとつになるのではないでしょうか。

 

サプリメントを上手に活用する

身長を伸ばしたいと思っても、子どもの食欲、日々の活動量、食事の内容、偏食、生活環境などによっては思ったように必要な栄養素が補えない場合もあると思います。

その場合は、たくさんの栄養素を含んだサプリメントを上手に取り入れることも必要となってくるでしょう。

 

外出先でも摂りやすい個包装になっているもの、空腹時に手軽に摂れるタブレットタイプのものやドリンクタイプのものもありますので、様々な生活環境に適したものを選ぶと長続きすると思います。

 

あくまでも、サプリメントは栄養を補助するものなので、通常の食事にも気を付けて、バランスの良い食生活に導いていきましょう。

 

バランスのとれた食事をよく噛んで食べること

1980年代に、子供たちが好きなメニューの頭文字を取って「かあちゃんやすめ」と言われた時代がありました。「カレー、チャーハン、焼きそば、スパゲティ、目玉焼き」のことです。

 

現代では「おかあさんやすめははきとく」などと言われています。

 

 オムライス

 カレーライス

 アイスクリーム

さん サンドウィッチ

 焼きそば

 スパゲッティ

 目玉焼き

 

は ハンバーグ

 ハンバーガー

 餃子

 トースト

 クリームシチュー

 

これらのメニューは、動物性のたんぱく質や脂質の多いメニューや、炭水化物(糖質)がメインとなるメニューが多いですよね。これでは、バランスが整っているとは言えません。

 

カレーやクリームシチューのように、ほとんど咀嚼せずに食べられるメニューも多いので、歯応えが残るような材料の選び方や切り方の工夫、「食事の時は、ひと口につき、最低15回は噛む」という意識も必要です。

 

良く噛むことで唾液や胃液の分泌が活発になり、食べ物をスムーズに消化し、吸収できるようになります。

 

寝る時間から逆算して、3時間前までに食事を済ませる

昔から「寝る子は育つ」と言いますよね。

人間の身体は、寝ている間に成長ホルモンが分泌されるので、睡眠時間とその質はとても重要なポイントとなります。

 

寝る直前の食事は、エネルギーが消化に使われてしまうので身体の成長を妨げてしまいます。

無駄なく効率的にエネルギーを使うためには、寝る3時間前までには食事を済ませましょう。

 

部活動や塾で夕食が遅くなる場合は、その前におにぎりなどの糖質を食べて、帰宅後に野菜たっぷりのスープなど、消化に良いものを食べるというように、食事を2回に分けるなど工夫をしましょう。

 

睡眠の質を上げるには「ブルーライト要注意」!

スマホやパソコンのブルーライトは人間の脳を活動的にすると言われています。

寝る前ギリギリまで戦闘系のゲームをしていて脳が興奮状態のままだったり、SNSを常にチェックしたり、動画を長々と見ている脳は、働いたままの状態。

そうなるとリラックスした睡眠時間を取れず、身体は眠っていても脳が起きている状態になり成長ホルモンが分泌されません。

心身の成長のためにも、「○時以降はスマホを見ない、パソコンを閉じる」などのルールを家族で決めるのも良いですね。

 

子どもは自分自身の力だけでは、骨を丈夫にする事も健康になる事もできません。子どもの心身の健康のためにも、大人が正しい知識を身につけて、より良い食生活、習慣になるよう環境づくりやそのためのコミュニケーションが大切になります。

 

牛乳を飲むだけで身長が伸びるとは言い切れませんが、バランスの良い食事と質の高い睡眠をとれるよう大人も一緒に意識していきましょう。

 

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健康管理士・調理師・整体師・ダイエットアドバイザー 池上道代さん

みち整体院 院長

健康管理士、調理師、整体師、ダイエットアドバイザーの資格を持ち、
お客様の健康から美容、食育のお悩みに幅広く応える。
また、日本痩身医学協会認定講師、日本フィジカルナテュール整体スクール神戸校校長として、ダイエットアドバイザーの資格取得から育成まで、トータルでサポートしている。

https://qol-up.wixsite.com/website

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