食事の謎を解き明かす栄養トリビア

果物を食べると健康になるということわざは本当!?「医者いらず」と言われている食材の意味と、食べ方のコツ

日本に限らず、果物や野菜についての健康にまつわる様々なことわざがあります。

中でも、「医者いらず」や、「○○が赤くなれば医者が青くなる」と表現することわざはたくさんありますが、その理由については知らない方も多いのではないでしょうか。

果物

 

今回は、「医者いらず」と言われる野菜や果物の秘密を紐解いていきたいと思います。

 

「医者いらず」と言われる野菜・果物と、その理由

<りんご>

「りんごが赤くなると医者が青くなる」・「一日一個のりんごは医者知らず」

りんご、というと、子どもの頃熱が出たときにお母さんがすりおろして食べさせてくれた、という経験を持つ人は多いのではないでしょうか?

風邪をひいて熱が高いときは食欲がないことが多く、特に子どもは低血糖の状態になりやすいので、そのような状態のときの水分とエネルギーの補給、また病中・病後の疲労の回復として有効な食物と言えます。

 

りんごにはビタミンやミネラルをはじめ様々な栄養素が含まれています。特に皮の部分には食物繊維が含まれ、腸の働きを活発にして消化吸収をサポートしてくれます。

中でも水溶性食物繊維の一種であるペクチンは水に溶けることで水分を抱き込んで粘度が出て、かさが増すことから、胃での消化を遅らせ、ブドウ糖の吸収速度を緩やかにしたり、余分なコレステロールの吸収を抑制する効果が知られています。

 

りんごの皮には多くのポリフェノールが含まれており、抗酸化作用や、血行促進、美肌や肥満予防などの効果が期待できます。

ポリフェノールを最大限に活かすには、皮付きのまま食べるようにしましょう。

 

また、カリウムが豊富で、体内の塩分を排出する働きをもつため、むくみが気になる方にもオススメです。

 

<柿>

「柿が赤くなれば医者が青くなる」

 有名なことわざですね。ですが、本来ことわざの意味としては、「柿が色づく頃は気候がよく病人が少なくなるので医者が困る」という意味で使われたり、農家では収穫期を迎えて忙しく、多少体調を壊しても病院に行く暇がないという意味も含まれているそうです。

 

柿の栄養そのものを言ったことわざではないのですが、まるっきり違うのかというと、実はそんなことはありません。

 

あまり知られていませんが柿にはみかんの2倍にあたるビタミンC、ビタミンAが含まれています。

一個で1日のビタミンCの必要量を補うことができるので、風邪の予防などに効果的と言われています。

 

他にも柿に含まれているβカロテン、βクリプトキサンチンは、免疫力の向上や美肌美白効果、エイジングケアにも一役買ってくれそうです。

タンニンという成分は血圧上昇を抑制する効果があるとされていますが、この成分は干し柿の方が豊富に含まれます。

 

また、「二日酔いには柿」とも言われ、ビタミンCとタンニンが血液中のアルコールの分解を促し、さらにカリウムが豊富なため、利尿作用でアルコールを排出してくれます。

 

<トマト>

「トマトが赤くなると、医者が青くなる」・「トマトのある家に胃病なし」

トマトは低カロリーで様々な栄養成分が豊富です。美肌効果や風邪の予防に役立つと言われているビタミンCや塩分の排出を助けてくれるカリウム、腸内環境を整える食物繊維などをバランスよく含んでいます。

 

特にトマトの抗酸化作用に注目!

リコピン、カロテンなどは、血の巡りをよくしてくれたり、体内にたまった老廃物をお掃除してくれる働きがあると言われています。

中でも、トマトに多く含まれるリコピンの抗酸化作用は強力で、βカロテンの2倍、ビタミンEの100倍とも言われています。

 

そのリコピンを上手に摂取するには、生で食べるより加工品がお勧めです。生野菜からは吸収が非常に少なく、同じ量をとったとしても生のトマトより加工品の方が2~3倍もリコピンを吸収しやすいことが明らかになっています。

缶詰などの加工品を利用するのがおすすめです。

 

<アロエベラ>

「アロエは医者いらず」

アロエは胃腸の調子を整える、火傷や切り傷の治りをよくする、潤いや弾力のある肌へ導く美肌効果などの様々な効能から、「アロエは医者いらず」と言われ、昔から民間療法で使われてきました。

「ヤケドにはアロエ」の言葉を聞いたことがある人は多いと思います。

 

特にアロエベラの特徴であるヌルヌル、ネバネバの成分である「多糖体」は

①免疫力の調整

②血糖値の調整

③細胞の働きを調整し新陳代謝を促す

④細胞のDNAに働きかけ、新しい細胞を作る

⑤炎症を抑える

⑥雑菌の侵入を防ぐ

⑦腸にいる善玉菌のエサになり、善玉菌を元気にする

と言われています。

 

また、アロエは美肌効果が期待できます。アロエのジェル状の部分には多くのビタミンやミネラル、アミノ酸、酵素類、アロエ特有の成分など200種類もの成分が含まれていると言われています。

中でもアロシンという成分にはメラニン色素を作る働きを抑える作用があり、美白効果が期待できます。

「食べてよし、塗ってよし」の美容と健康の強い味方といえるでしょう。

 

最近、果物の摂取量が減っている!?

このように、様々な栄養を身体にもたらしてくれる果物や野菜ですが、最近日本では果物の摂取量が減っているそうです。

その理由はなんなのでしょうか?

 

その昔、果物が高級品だった頃もありましたが、1960年代の高度成長期くらいから果物の摂取量も増え、その時期が果物の消費量がピークだったと言われています。

 

1980年代のバブル期を迎え、日本の経済が豊かになりました。世界中から食品が集まり食も多様化し、コンビニエンスストアやファストフードが定着、核家族や一人暮らしの若者などが増え、簡単なインスタント食品や一人でも食べられる量のデザートなどが好まれるようになりました。

 

果物を食べない理由として「ほかに食べる食品があるから」「日持ちがしないから」「皮を剥くのが面倒臭い」「値段が高い」「手が汚れる(ベタベタする)」などの理由や、甘く加工した食品や人工甘味料、添加物などに舌が慣れてきて「酸っぱいのが苦手」と言うような味覚の変化なども要因と思われます。

 

果物離れを食い止めようと、生産農家も消費者のニーズに応え、皮が剥きやすくてとにかく甘いみかん、種がなくて皮ごと食べられるブドウ、などは評判も良く人気のようです。

 

参照元:果樹農業に関する現状と課題について

https://www.maff.go.jp/j/council/seisaku/kazyu/r01_1_kajyu/attach/pdf/index-19.pdf
果物には、特に以下の栄養素が含まれています。

 

・果物に含まれるビタミン

ビタミンC・・・美肌効果

ビタミンA・・・目の働きを保つ

・果物に含まれるミネラル

カリウム・・・高血圧予防(ナトリウム(塩分)の排出作用)

・果物に含まれる食物繊維

便秘予防、生活習慣病の予防

・果物に含まれる糖類

ブドウ糖、果糖・・・疲労回復効果、脳の活性化

 

このように、様々な恩恵を身体に与えてくれる果物は、積極的に摂るようにしましょう。

 

果物はどのように食べると効果的?

果物だけで食べるほかにも、料理と組み合わせるのもお勧めです。

例えば、唐揚げに添えられているレモン。

レモンのように酸味のある果物は、脂質の多い食事と相性がいいのです。タンパク質分解酵素が含まれているので、肉・魚料理と組み合わせることで、消化を助けるとともに、体内の脂質の酸化を防いだり、余分な脂質の排出を促す成分も多く含まれます。

 

ただし、いくら身体によいからといって、多く食べればいいというものではありません。

果物は甘味成分の果糖が多く含まれているものもあるので、ダイエット中の方、糖尿病等の既往歴のある方は医師に相談し、摂取量に気を付けましょう。

 

理想的な1日の摂取量は、1日200gと言われていますが、15歳以上の1日平均摂取量は117.4gであるため、82.6gが足りていません。

 

参照元:果実類摂取量

https://unit.aist.go.jp/riss/crm/exposurefactors/documents/factor/food_intake/intake_fruit.pdf
200gの目安は以下となります。多すぎず、少なすぎず、毎日食べたいですね。

 

みかん 2 個 (92kcal) ・キウイフルーツ 2 個 (118kcal) ・りんご 1 個 (114kcal) ・グレープフルーツ 1 個 (76kcal) ・梨 1 個 (86kcal) ・バレンシアオレンジ 2 個 (78kcal) ・柿 2 個 (120kcal) ・バナナ 2 本 (172kcal) ・桃 2 個 (80kcal) ・さくらんぼ 40粒(120kcal) ・ぶどう 1 房(118kcal) ・いよかん 1 個 (92kcal)

 

果物には糖分が含まれますが、甘い菓子類に比べると脂質は少なく、カロリーは低めです。

そのため、間食にお菓子を食べている人は、果物に替えることで余分なカロリー摂取を抑えられ、水分やビタミン、食物繊維の補給に役立ちます。

 

 

  • 果物を上手に食事に取り入れよう!

果物には主にブドウ糖、果糖、ショ糖の3種類の糖分が含まれています。

 

脳のエネルギー源であるブドウ糖は体内に貯蔵しておくことができないので、寝ている間に使われたエネルギーを朝に補給するのが望ましいと言えます。

「朝の果物は金」と言われるのは、そういう意味があります。

 

とは言え、医者いらずの果物だから大丈夫というわけではなく、エネルギー源となる三大栄養素であるタンパク質、脂質、糖質(炭水化物)が必要になります。

旬の果物も上手に取り入れ、日頃からバランスのとれた生活が大切!ということですね。

 

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健康管理士・調理師・整体師・ダイエットアドバイザー 池上道代さん

みち整体院 院長

健康管理士、調理師、整体師、ダイエットアドバイザーの資格を持ち、
お客様の健康から美容、食育のお悩みに幅広く応える。
また、日本痩身医学協会認定講師、日本フィジカルナテュール整体スクール神戸校校長として、ダイエットアドバイザーの資格取得から育成まで、トータルでサポートしている。

https://qol-up.wixsite.com/website

 

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