食事の謎を解き明かす栄養トリビア

食べ物で認知症を予防できる?認知症の進行を抑えることは?認知症予防・対策のために知っておきたいこと

顔は思い出せるのに、名前が出てこない。

何かをしようと立ち上がったのに、何をしようと思っていたのか忘れている。

……誰でも年齢とともに、このようなことが多くなっていきます。

こうした「もの忘れ」は脳の老化によるものですが、「もしかして認知症かも…」と心配になりますよね。

 

認知症は「老化によるもの忘れ」とは違い、病気によって脳の神経細胞が壊れるために起こる症状や状態のことです。認知症が進行すると、だんだん物事を理解する力や判断する力がなくなって、社会生活や日常生活に支障が出てくるようになります。

 

今回は認知症と食べ物の関係についてお伝えします。

 

「茗荷(みょうが)を食べると物忘れする」という言い伝えは本当?

みょうが

物忘れをする食べ物と聞いてまず思い出すのが、茗荷ではないでしょうか?「茗荷を食べると物忘れする」と昔から言われていますが、これに根拠はあるのでしょうか?

 

結論からいえば、茗荷を食べて物忘れをすることはありません。

それどころか、茗荷の栄養成分から見ると食物繊維やカリウムが豊富で、動脈硬化を予防するのに良い食材と言われています。

 

「茗荷を食べると物忘れする」という言い伝えは、お釈迦様に自分の名前すら覚えられない物忘れの名人と言われる周利槃特(しゅりはんどく)という弟子がいて、その弟子が亡くなった後、お墓から生えたのが茗荷だったそうです。そういったことから、茗荷を食べると物忘れをすると言われるようになりました。

 

認知症のリスクが高まる食べ物は、茗荷ではなく「トランス脂肪酸」ということが近年分かってきました。

トランス脂肪酸とは、脂肪酸の一種で、油脂を加工して作られたマーガリンやショートニング、それらを使った菓子やパン、加工品などに含まれています。トランス脂肪酸を過剰に摂取すると動脈硬化の原因になることが知られていますが、認知症になるリスクが高まる可能性があると言う研究結果も発表されています。

世界保健機構(WHO)は1日の総エネルギーの1%未満の摂取に抑えるように勧めています。日本人の一日のエネルギー量の平均は約1900kcalですので、トランス脂肪酸1%相当に換算すると約2gです。日本人が食品から摂っているトランス脂肪酸の1日平均は0.92~0.96g程度ですので、健康への影響は低いと考えられますが、血中のトランス脂肪酸濃度が上昇すると認知症リスクが上昇するという研究データもあるため、積極的な摂取は控えたほうが良いようです。

 

参照:農林水産省「すぐにわかるトランス脂肪酸」

https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_wakaru/

 

認知症と生活習慣病との関係

認知症は、現代の医学で完治は難しいとされています。だからこそ、予防することで発症リスクを下げることが大切になってきます。

ストレスや生活習慣病、特定の食品は認知症のリスクを引き上げる要因として考えられているので、そういったストレスや食品を避けるようにすれば、認知症のリスクを下げることができるようになると言えます。

 

「高血糖」「高血圧」「脂質異常症」「喫煙」などは血管をいためて、動脈硬化が進みやすくなります。

不規則で偏りがちな食生活、運動不足、喫煙、アルコールの過剰摂取など、不健康な生活習慣によって脳の血管にも支障をきたし、認知症のリスクも高めることが、最近の研究で分かってきました。

 

生活習慣の改善は、ちょっとした工夫で取り組める

不健康な生活習慣は脳血管、心血管の疾患リスクを高めるだけではありません。中年期に入ると脳の委縮はすでにはじまっています。年齢を重ねてから認知症を発症するのを防ぐために、若いうちに健康的な生活を心がけることが大切です。

 

・食生活の改善  -和食を見直そう-

大豆製品はコレステロールや中性脂肪が気になる方にお勧めです。

納豆に含まれるナットウキナーゼには、血栓を溶かす働きがあります。

 

サバ・イワシ・サンマなどの青魚に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などの脂肪酸には、血液の流れをスムーズにし、血栓をできにくくする効果があります。また、コレステロール値や血圧の上昇を抑える作用があるため、アルツハイマー病の発症リスクが低下すると言われています。

 

緑黄色野菜に含まれるビタミンやポリフェノールなどの抗酸化作用のある栄養素には、活性酸素によって神経細胞が受けるダメージを減らす作用があるので、積極的に摂取したいですね。

和食

例えば、野菜たっぷりのお味噌汁に、焼き魚、ほうれん草のお浸し、納豆の組み合わせは、理想的と言えます。

これは昔の日本人の食卓の定番とも言えるメニューです。

 

・ちょっとした運動習慣を身につけよう

1日30分の運動を週3日以上行うのが理想とされていますが、きつい運動をする必要はありません。ちょっとした工夫で体を動かしましょう。

 

例えば、エレベーターやエスカレーターを使わず階段を使う。1駅分は歩く。好きな音楽を聴きながら太腿を高く上げ、大きく腕を振ってその場で足踏みをする。椅子から立ち上がり座るを繰り返すスクワット運動をするなど、楽しみながら行うと脳が活性化すると言われていて、認知症予防の効果がさらに上がることが期待できます。

 

ただし、高血圧、糖尿病、脂質異常症や、足腰に自信のない方は安全に運動するために事前に主治医の先生に相談しましょう。

 

・会話は大事 -コミュニケーション-

家に引きこもりがちになって孤独を感じていると、認知症の進行を早めるリスクがあると言われています。

人と会話をすることは、とても頭を使います。人との待ち合わせのために時間を逆算したり、会って話すときは表情を見たり、言葉を選んだりしますよね。普段からたくさんの人と関わっている人は認知症になりにくいと言われています。特に、楽しい仲間との集まりは脳へいい刺激を与えて脳の神経細胞を活性化させます。

 

家族や親しい仲間との間でも、自分の役割を持つことが認知症予防につながります。

積極的にコミュニケーションをとるようにしましょう。

 

・アルコールの過度の摂取は控える

多量に飲酒する人に認知機能の低下や認知症が多くみられると言われています。特にアルコール依存症の高齢者には物忘れや認知症が高い割合でみられ、若い依存症の人でも、飲酒のために前頭葉機能が障害されるケースもあるようです。

長期間の断酒によって認知機能や物忘れが改善することもありますが、認知症は進行性なので回復するのは難しいと言われています。

お酒を飲み過ぎないようにする習慣を若い内から身につけておくことが必要です。

 

料理は認知症予防になる!

調理すること(火や道具を使う)、調味すること(甘味、塩味、酸味、苦味、旨味)が出来るのは人間だけです。お袋の味、給食の味、味や匂いで様々なシチュエーションが回想されます。

それだけ食事はとても大切です。認知症を予防するには栄養バランスの良い食事を取ることが大切ですが、実は自分で料理をするということも、認知症の予防効果が高いのです。

 

料理をするときは、事前にメニューを考え材料を買いに行きますよね。

その後、実際に食べる時間を逆算し、調理をしていきます。材料を洗う、切る、調理する、味付けする、盛り付ける…。そんな複数の作業を同時に行うことで、脳の活性が確実に促されます。

 

もしかして認知症…??早期発見が大切です

認知症は、自分では気が付かなかったり認めたくなかったり、家族も気が付かなかったり、認めたくないと、本人も家族も気持ちが揺れ動きます。

その気持ちは理解出来ますが、一度発症すると治癒や改善が難しいだけに、できるだけ早期発見を行い、症状が重症化しないうちに進行を遅らせることが重要になります。

 

もし、認知機能に違和感を覚えるようなことがあったら、専門医に早めに診てもらいましょう。

あるいは、自治体や医療機関では、認知症を早期発見するためのチェックリストを公表していることが多いので利用しましょう。

 

「何だか怒りっぽくなった」や「興味関心を失い、意欲がなくなった」などのチェック項目に答えます。その中で、もし該当するものが多かったら、一度専門医の診察を受けてみることをおすすめします。

 

認知症予防の一番は、病気にならない事!健康な老後を過ごす!「明るい未来」というゴールを決める事です。

 

「5年後、10年後、20年後の自分はどう過ごしたいのか」のゴールを決め、「今やろうとしている行動」は、自分が決めた、明るい未来に繋がる行動かどうか?常にセルフカウンセリングをしていく事が癖になるといいですね。

 

そして、栄養をしっかりと摂れる食事を意識していきましょう。

栄養素をしっかり補うためにサプリメントを活用するのもおすすめです。

≫≫自然のめぐみを生かした健康素材「クロレラ」

 

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第5回 物忘れは「認知症」の始まり?

 

健康管理士・調理師・整体師・ダイエットアドバイザー 池上道代さん

みち整体院 院長

健康管理士、調理師、整体師、ダイエットアドバイザーの資格を持ち、
お客様の健康から美容、食育のお悩みに幅広く応える。
また、日本痩身医学協会認定講師、日本フィジカルナテュール整体スクール神戸校校長として、ダイエットアドバイザーの資格取得から育成まで、トータルでサポートしている。

https://qol-up.wixsite.com/website

 

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