知っておきたい!健康最前線

第3回 腸内環境にまつわるツマラナイ話

第三回「腸内環境」ス腸内環境にまつわるツマラナイ話

健康と腸内環境の深い関係

便秘はよく、「美肌の敵」と言われます。実際、便秘に悩む女性を調べたところ、なんと9割もの人に何らかの肌のトラブルがあるという調査結果があります。さらに便秘の女性は快便の人と比べて、「疲れがたまる」「肩こり」「頭痛」などの悩みが多く、便秘がさまざまな症状に関係していることも明らかになりました。
腸の病気に関する国際的な診断基準では、1週間に排便回数が3回以下の場合が「便秘」とされています。日本でこの基準にあてはまる「便秘」の女性は男性の約2倍。男性は便秘よりもむしろ下痢が多いと言われています。

さて、便秘や下痢など腸の調子に影響を与えているのが、「腸内細菌」です。腸内細菌は便1gあたり600兆個以上存在し、種類は1000種類以上。人によってその種類や数、割合など全て異なり、まさに千差万別です。さらにはその日の食事や体調によっても変わります。合計約1.5kgの重さになる腸内細菌は腸のトラブルに関わるのはもちろんのこと、免疫機能、がん、肥満、糖尿病、うつなどさまざまな病気との関係もあるのです。

まるで体の中のお花畑!「腸内フローラ」

腸内細菌は腸内にバラバラに存在しているのではなく、同じ種類の菌どうしが集まり、大小の群を作って腸の壁面に住んでいます。これを「腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)」、別名「腸内フローラ」と呼びます。「叢」は「くさむら」を、「フローラ(flora)」は「植物群」を意味し、あたかも広い草原の中にさまざまな花が咲き乱れるかのように、腸内細菌は生息しているのです。
腸内細菌には多くの種類があるのですが、ざっと「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」の3種類に分けられます。「善玉菌」は全体の20%を占め、身体のために良い働きをする物質を作る「発酵」を行います。代表的な菌はビフィズス菌、乳酸菌です。一方、「悪玉菌」は全体の10%ほど。しかし、タンパク質やアミノ酸を分解し腐敗させる力を持っています。腐敗によってできた物質は血液を通じて体内に運ばれ、腸内にとどまらず、身体全体に悪影響を及ぼします。代表的な菌はウェルシュ菌やその他の病原菌です。
さて、腸内細菌の中で最も多いのは、善玉でも悪玉でもなく「日和見菌」と呼ばれる中間菌です。文字通り「日和見」な菌で、全体の70%を占めています。ある時は善玉菌、ある時は悪玉菌と優勢な方につき、腸内細菌全体のバランスを善悪どちらかの状況に傾かせます。

種類(比率) 代表的な菌 働き
善玉菌(20%) ビフィズス菌、乳酸菌 発酵で身体に有益な物質を作る
悪玉菌(10%) ウォルシュ菌、病原性大腸菌 腐敗させ有害な物質を作る
日和見菌(70%) バクテロイデス、大腸菌(非病原性) 中間的で、優勢な方に傾く

腸内フローラの仕組み

年齢とともに腸内環境は悪化する

こうした腸内環境を知ると、自然なお通じを得るためにはいつでも善玉菌をたくさん保てばいい!と考えますよね。確かにそうなのですが、残念なことに腸内環境は年齢とともに悪化してしまいます。
そもそも年齢によって腸内環境は変わります。人間、お母さんの胎内では無菌状態ですが、お母さんの産道を通って産まれてくるときに母親の菌種を受け継ぐことになります。お母さんのおっぱいを飲んでいる間は、赤ちゃんの腸内はビフィズス菌のみですが、離乳食から普通の食事になるに従って各種の細菌が体内に入り、腸内に定着し、徐々に腸内細菌のバランスが大人に近づいていきます。しかし、成人以降年齢を重ねるにつれ、善玉菌は減っていき、悪玉菌が増加。特に50代を過ぎると悪玉菌優位の腸内環境になってしまいます。

「続けること」がツマリをなくす

悪玉菌優位に傾きがちな腸内環境を改善するためには、乳酸菌などの善玉菌を多く含む食品を積極的にとる「プロバイオティクス」が大切です。しかし、身体の外から取り入れた乳酸菌などは一時的に腸内環境を改善するものの、腸内に定住することはなく、数日後には便として排泄されてしまいます。ですから、善玉菌を摂るなら、“継続”がポイント。加えて善玉菌の働きを活性化させる、食物繊維やオリゴ糖、さらにアミノ酸、ビタミン類やミネラル類等を豊富に含む、「プレバイオティクス」と呼ばれる食品を意識して摂ることも効果的です。
くり返しますが、腸内細菌のバランスは、その日の食事によっても変わります。毎日の食生活の積み重ねと、規則正しい生活、適度な運動・休養で、腸内環境は「変えられる」のです。

 

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