大人の食育

第3回 健康で美しくなるダイエット

健康で美しくなるダイエット

衣替えの季節ともなると、気になるのが体のライン。ぽっこり出たおなかや、くびれのないウエスト。今ならまだ間に合います、さぁ今すぐ始めましょう!

ダイエットの本当の意味ダイエットの本当の意味
ダイエットは、理想の体型に近づくことができ、同時にそのための努力と継続が精神的な自信に繋がるなど、いろいろな利点がありますね。でも、大切なのはまず自分を知ることです。そもそもダイエットとは「やせること」ではなく健康のために、食事を管理すること。そのため「肥満」の人だけでなく「痩せすぎ」の人もダイエットが必要なのです。糖尿病や高血圧、心疾患など生活習慣病を引き起こす原因の「肥満」は、皮下や内臓の周りに過剰にたまった体脂肪を取り除くためのダイエットをしましょう。
「痩せすぎ」の場合は、健康な体を取り戻すため不足栄養素を補う食事(治療食)をとることが、本当の意味のダイエットです。
あなたの体格を調べてみよう!
  • 体格を客観的に判定するBMI(体格指数)を算出してみましょう。

   体重÷身長÷身長=BMI

ここに表された数値が18.5~25.0なら「普通」、18.5未満は「やせ」、25.0以上なら「肥満」とされてきました(27年4月からは新基準となる予定で、26年4月の中間報告では、基準が緩和され、男性18.5~27.7、女性16.8~26.1を異常なしと報じられましたが、判定基準の変更ではないとの呼びかけもあるようです)。

BMI 計算方法

過剰なダイエットで骨がスカスカに!?
女性の場合、容姿を気にして必要以上に減量を続けるなど無理なダイエットにより、貧血や月経異常、皮膚が張りを失う、髪の毛が抜けるなどの症状があらわれることがあります。これは、食事の量が足りず体脂肪だけでなく体タンパク質まで失っていることの現れ。若い女性は、この時期にしか増やせない骨量のためにタンパク質やカルシウムを多く含む食品を、また貧血予防のためには鉄をしっかりとることが大切です。若いときの過度なダイエットが、将来の骨粗しょう症を招くことはよく知られていますが、最近の研究では、痩せすぎの若い女性や妊婦から生まれた子どもは、将来、生活習慣病にかかるリスクが高いこともわかってきました。

骨をつくる働きが盛んなのは思春期まで


骨は一度つくられたら、ずっとそのままというわけではありません。骨の成分の約70%はカルシウムやリンなどのミネラルで、からだが必要としたときには、骨の外層のリン酸カルシウム等を溶かして血管を通じて供給し、余ると骨に蓄えられます。ただし、骨をつくる働きが盛んなのは思春期(20歳前後)までで、その頃には骨量も最大になります(背骨の骨量は20歳頃まで、手足の骨量は30歳頃まで増えるといわれています)。その後40歳ぐらいまでは骨をつくる力と壊す力のバランスがとれ、骨量もほぼ一定に保たれ、その後40代後半から骨量は徐々に低下します。
骨量はピークに達したら、横ばいから減る傾向にありますので、若い時に最大骨量を高くしておくと、骨粗しょう症のリスクを低くすることができます。しかし、無理なダイエットで食事量を減らすと、骨をつくるのに必要なカルシウム、たんぱく質、ビタミンDなどの栄養素が不足するばかりか、さらには痩せすぎで骨に体重による負荷がかからず、骨が弱くなってしまうのです。

<強い骨とは>
骨が丈夫かどうかは、まず骨量を問題にします。骨量はコラーゲンなどからなる「骨基質」とミネラルなどからなる「骨塩」の量です。実際には骨塩量を数値で表した「骨密度」が使われ、骨量(骨密度)と骨質で骨強度が決まります。
十分なカルシウムで骨密度を増やし、ビタミンB6,B12,葉酸をとることで骨コラーゲンの劣化を防ぎ、骨質を高めましょう!
糖質ダイエットにご用心糖質ダイエットにご用心
糖質ダイエットとは、健康的な体を維持していくために必要な5大栄養素(糖質、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル)の中から、「糖質」の摂取量を制限し、血糖をコントロールする食事法です。大人の場合、消費エネルギー量は、年齢、性別、体格、活動量よって異なりますが、たんぱく質やビタミン、ミネラルなど体を作ったり、体調を整えるための栄養素はそれほどの違いはありません。では、糖質(炭水化物から食物繊維を抜いたもの)を食事から除くと何か問題があるのでしょうか?
糖質制限ダイエットの利点
  • 糖質を制限するので、脂肪の蓄積が防げ、また糖質の代わりに体脂肪が使われていくので、比較的短期間で体重は減ります。
糖質ダイエットの欠点
  • 糖質さえ控えれば何を食べてもよい、と思い込み、たんぱく質を多くとってしまうので、腎臓に負担をかけてしまいます。
  • どのダイエットでも同じことが言えますが、やめるとリバウンドの可能性が高くなります。
  • 糖質制限だけで血糖値をコントロールできたから、と安心して、歩くことなど体を動かすことをやめると、筋力が落ちます。
  • 病気がある人や治療薬を服用している人は、安易にはじめるのは禁物です。

★糖質制限ダイエットの場合も標準的な摂取カロリーは守りましょう。
★ただし、20~60代の女性では、最低1200kcalは必要です。
★糖質制限に限らず、ダイエットする場合にもビタミン、ミネラルは必要です。野菜や海藻類はしっかりとりたいものですが、かぼちゃ、れんこん、ごぼう、とうもろこし等は、いも類、果物などと同じように量に気をつけましょう。

<気になるword>
・本来のdietとは?
健康を目的に、食事の質や量を調節する「食事」「療養食」のことで、単に痩せるためだけの食事制限ではありません。海外では食習慣という意味で使われることも多いのですが、痩せるための運動はダイエットと呼ばないそうです。スポーツトレーニングをして筋肉を増やし、基礎代謝量を上げ、消費エネルギーを増やすことは、身体づくり。スポーツダイエットという言葉はない、ということですね。

 

nutrituion.ueda.name

nutrituion.ueda.image 京都生まれ、京都育ち。
病院・保健所・役所などに勤務後、雑誌の企画・編集・執筆に携わる。やがて、伝統ある町の魅力を全国に伝えるかたわら、食の専門家としても活動を開始。料理本の企画・執筆、栄養指導を経て、やがて京都のおばんざい教室『よろしゅうおあがり』を立ち上げる。こうした経験をいかし、現在も医療の現場や企業での栄養管理・指導にまで活躍の場を広げ、今もさまざまな料理レシピを生みだし続けている。

 

nutrituion.content

このページの先頭へ