大人の食育

第12回 子どもと一緒に育む食事シリーズ 3

子どもと一緒に育む食事シリーズ 3

3月は、子どもたちにとっても1年の締めくくりの時期です。園児から小学生へ、あるいは1年毎の進級に備えて、○○○はできたかなぁ~と確認してみるよい機会ではないでしょうか。
健やかな発育・発達のためには食生活が大切な役割を果たしていますが、食べ方、食事道具の使い方なども成長とともに形成されているでしょうか?

STEP1:子どもに伝える食育

STEP1:子どもに伝える食育
○食事のマナーと健康の関係
食事の時間は楽しく過ごせ、美味しく食べるのが基本ですが、周りの人を不快にさせないよう食事のマナーを守ることも大切です。また、マナーが健康づくりにも役立っているのです。

  1. 背筋を伸ばし、食卓のテーブルとの間は、両手が上手く動く程度(握りこぶし1個ぐらい)を開けて、テーブルと平行に座ります・・・・正しい姿勢は、食物がスムーズに食道、胃、腸に運ばれ、消化されやすくなります。
  2. 食卓に肘をついて食べない・・・・姿勢が悪くなると、消化にも悪影響が出ます。
  3. 口の中に食べ物を入れたまましゃべらない・・・・咀嚼の妨げになる。また、口の中に食べ物が残るなど、行儀が悪いだけでなく、健康上に悪いのです。
  4. ぺちゃぺちゃと音を立てて食べない・・・・口を閉じてよく噛むことで、唾液がよく出て消化がよくなります。

★よく噛むことは、唾液や胃液の分泌を促し、消化吸収がよくなるだけではなく、がん予防のほか、脳の活性化、肥満、老化防止、生活習慣病のリスクを減らすことができることが分かっています。

STEP2:“こ食”を防ぐ食事習慣

STEP2:“こ食”を防ぐ食事習慣

○平成21年の内閣府「食育白書」では、食事マナーの習得は、家族での食卓から、という回答の割合が高いとされています。

できるだけ家族揃って食卓をかこみましょう!

  • 子どもだけで食べる「個食」より両親や祖父母と食べる食卓の方が、食べる食品数も多く、栄養バランスもよいことが知られています。
  • 行事食、旬の素材など食文化を伝える良い機会です。郷土料理なども取り入れて、地元の産物に親しみを持たせましょう。

「ながら」食べをしていませんか?

  • 家族が揃って食事をしていても、テレビを観ながらでは食事に集中できません。また、いつも同じ席に就きテレビを観ながらの食事を続けると、顔や首を傾けたままとなり、片方の歯や顎に負担をかけるなど咀嚼にも影響を及ぼしているケースも見られます。

食事の最初と最後の挨拶

「いただきます」(命あるものをいただく感謝と作ってくれた人への感謝)
「ごちそうさま」(あちこち走り回って集めた食材を美味しくいただいたお礼)
は、意味を知って、心をこめて行います。

食事作りへの参加

  • 子どもがお手伝いできる年齢になれば、最初はテーブルセッティングから始めてみましょう。
    和食、洋食など、器の並べ方にも決まりがあることも学べます(後述)。
  • 器を選んだり、盛り付けを手伝うことで、子どもの料理への関心が深まります。
  • すり鉢、すりこぎ、麺棒など子どもが安全に使える調理器具からふれさせて、調理に興味を持たせましょう。
STEP3:日本の食事マナーをどれくらい知っていますか?

STEP3:日本の食事マナーをどれくらい知っていますか?
日本料理の献立は最も簡単なものは一汁一飯(ご飯、汁物、香の物)で、これに副菜がつくと、一汁一菜、一汁二菜…となります。
近年、家庭の食卓では、料理のすべてを銘々の器に盛り付けて供することは少なくなってきましたが、【ご飯、汁物、主菜、副菜、(香の物)】の並べ方(膳組み)は下記のように決まりがあります。

  • 箸・・・箸先を左にして、横一文字に一番手前の箸置きの上に置きます。長さは親指と人差し指を直角に広げた1.5倍の長さが望ましいのです。口をつける箸先を見せるのは失礼だから(昔からの心得)※
  • ご飯は左手前・・・持ち上げる頻度が多く、箸を右手に持つところから左手で持ち上げます。
  • 主菜・・・器を持ち上げず、箸を伸ばすところから、右手奥もなります。

※箸は先だけ(約3cm)を使って、いつもきれいにしておきます。

やってはいけない、箸のタブー(嫌われ箸)

  • 刺し箸・・・箸で挟まず突き刺してとること
  • 探り箸・・・盛り付けを無視して、下の料理などを箸で探してたべること
  • 迷い箸・・・料理の上でどれにするか迷って箸を行き来させること
  • 寄せ箸・・・箸で器を引き寄せたり、押したりすること
  • ねぶり箸、かみ箸・・・箸についたものを口でなめること、箸を噛むこと
  • かきこみ箸・・・器の縁に口をあてて、食べ物を口の中へ箸でかき込むこと
  • 握り箸・・・箸を握ったまま食器を持つこと(小さい子どもが箸を握ってかき込むのとは違う)
  • 箸渡し・・・箸で挟んだ料理を相手が箸で受ける(死者のお骨を拾う動作につながる)
大人の知っておきたい和食の作法

大人の知っておきたい和食の作法

  1. 茶碗や箸を手に持たずに食べることはマナー違反
  2. 箸を器の上にのせたままにしない
  3. 自分の料理であっても、右のものを左手、左のものを右手でとってはいけない(袖が食べ物にふれやすいから)
  4. 盛り付けは食べやすさに配慮してあります。一般的に左側から食べる方が食べやすいはずです。
  5. 汁椀は左手を椀に添え、右手で椀の蓋を時計回りに回して開け、暫く蓋を傾けてお椀の中に水滴を落とし、上をむけて右に置く。
  6. 汁の飲み方は、箸を椀の中に入れ、先をみせない(具を箸先で押さえる)、相手に端先を向けない。
  7. よくいわれる「刺身と造り」の違い・・・魚の身を切っただけが刺身で、手を加えられているのが造り、らしいですが、淡白なものから食べるのがマナーです。
  8. 刺身のわさびは、醤油の中で溶かない? 魚とわさびの味を生かすためでしょう。
  9. 魚は左頭に盛り付けてあります。半身を食べたら頭と中骨と尾を向こうにずらしておきます。裏返して食べません。
  10. ご飯はいただき方ではなく、よそい方(盛り付け)ですが、一度に盛らず(一杓は失礼)、二度にわけて7~8分目を軽く盛ります。

 

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nutrituion.ueda.image 京都生まれ、京都育ち。
病院・保健所・役所などに勤務後、雑誌の企画・編集・執筆に携わる。やがて、伝統ある町の魅力を全国に伝えるかたわら、食の専門家としても活動を開始。料理本の企画・執筆、栄養指導を経て、やがて京都のおばんざい教室『よろしゅうおあがり』を立ち上げる。こうした経験をいかし、現在も医療の現場や企業での栄養管理・指導にまで活躍の場を広げ、今もさまざまな料理レシピを生みだし続けている。

 

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